なごり雪

五十歳の悲歌(エレジィ)-伊勢正三のなごり雪をテーマに大分県 臼杵を舞台にした映画。

都会に暮らす人にとって離れた故郷は、いつまでも旅立った時間で止まっているように思える。

主人公である梶村祐作(三浦友和)は、妻に出て行かれ、生きる望みもなく、遺書などを戯れて書いていた。
そんな時、郷里の学生時代の親友 水田(ベンガル)から突然電話がかかってくる・・・。
スクーターで転倒してしまった水田の妻 雪子がもう先が長くないらしく会って欲しいという。

水田がどうしても梶村に来て欲しい理由は、学生時代、雪子(須藤温子)は、梶村に心を寄せていたからだ。

28年前、東京の大学に進学した梶村は、雪子のそんな気持ちを理解し受け入れようとしていたのだが、都会で恋人ができてしまい、雪子と結ばれることはなかった。
梶村は、雪子が17の春に戻ってくる約束をしたのであるが、それを果たす事はなかった。

臼杵につくと雪子は、ベッドで包帯に巻かれて、顔も分からない状態だったが、水田は、妻が恋をしていた梶村に生きている間に合わせたかったのだった・・・。

28年前の映像と、50歳の現在の映像が回想するように展開する。
記憶の中の故郷のままで、時は過ぎない・・・。

みなさんも10代後半の時代。誰しもがずっと心の中に残っている故郷の物語はあるのではないでしょうか?

また、パッケージは三浦友和なんですが・・・ちゃんと、この映画、ヒロイン須藤温子も可憐な魅力を出しているし、現在の娘役として長澤まさみも出ているので、ご安心ください。(笑)

舞台となった臼杵の町は、今でも映画のように古い町並みが残っているという。
高度経済成長の時代は、どこの地方も工場誘致などを行い、臼杵の町もセメント工場誘致が決まっていたのであるが、古い町並みの残そうと市民運動が起こり、今もその町並みが残っている。

演出は、あえてキネマ全盛期のころのようなものにているらしく、原節子の時代の映画ような台詞回しをしている。
その演出が、さらにノスタルジックな印象を全体的にかもし出させているように思います。

誰もが愛した、誰もが知っているあの歌。「なごり雪」の歌詞に乗せて綴る、大分県九重連山に抱かれた小さな町 臼杵を舞台にした、切なくて美しい日本の映画です。

ちょっと気になったのは、伊勢正三の歌い方って変わってしまってますよね?前のほうが良かったように思うなぁ。
ちなみに、「なごり雪」は、二十八年の昔、臼杵市の隣町、津久見駅のホームを舞台に伊勢正三によって作られた唄です。

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