グシャノビンヅメ

山口洋輝監督は北村龍平監督が出身のインディーズムービーフェスティバル第二回グランプリ受賞者。今回の作品はクランクインから2年の歳月をかけて製作したという作品。
プロデューサーも一切口を挟まないというインディーズ形式を取っており細部にまでこだわりを持った作品に仕上がっている。

近未来のような世界。貧民と精神病院の街138階層「コロバザジップ」に住む女子高生ルキノ(藤崎ルキノ)は学校通うのにエレベーターのような乗り物「移動機筒」を使う。
この国は監視局にすべて管理されており階層ごとに町の役割や住む人が決められている。貧民と精神病院の街、科学と実験と研究者の街、企業社宅と独身寮の街など、その階層は正に社会の階層そのものであった。

移動機筒に乗り高校へと向かう途中、監視局の緊急の要請で囚人が同乗することになるのだが、これが悲劇の始まりだった・・・。

ストーリーはほとんど移動機筒(エレベーターみたいな乗り物)の中で進む。
油で汚れたむき出しで機能優先の小道具などはこだわりを持って作られておりブレードランナー、未来世紀ブラジルを連想させる。近未来のスラムの風景。威圧的な監視局の制服。エレベーターガールがいる移動機筒。こういう近未来SF好きな人にはたまらないかもしれません。

主人公の藤崎ルキノは表情がそんなに豊かな子ではなく、何を考えているのかわかりにくい近未来の女子高生を演じている。存在感が強い子でこれからが楽しみな新人です。

この作品一番好感が持てるのは(出演者のインタビューにもあったのだが)ストーリー自体は、いたってストレートで作品に真正面に取り組んでいるところ。
コミカルで笑える部分は、奇妙なキャラクターの登場や機械と登場人物との不自然さなど演出の部分で表現しておりSFの王道をいっている。

特に日本のSFは予算の関係からか、ちゃっちくなってしまいそうになると、その埋め合わせではないが変なギャグなどを入れてしまい、お茶を濁したようなものになってしまう作品もあるが、この作品は細かなシーンでも丁寧に作っている。(だから2年もかかってしまったのかもしれないが)

大学在学中にインディーズフェスティバルでグランプリを受賞し、この作品も2000年から取り始め全国で公募した俳優やボランティアで作り上げられ、2003年に劇場版として公開された。
最近は若い監督が頑張っていていいですね山口監督は作品に対してごまかしがない作品なので有望だと思います。

ちょっと気になる点を言うと多少グロいシーンが多いことかな。あと宣伝素材は囚人じゃなくて藤崎ルキノをメインにしたらDVDが買い易かったり、借りやすかったのじゃないかなぁ。と思いますね。

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