タナカヒロシのすべて

過激な芸風でマニアックな人気を持っている鳥肌実の初主演作品。

この鳥肌実という俳優(芸人?)は、独特の存在感を持っている人で、映画自体は、日常的なシーンが多いのだけれど、この人が画面に入ってくると不思議な違和感をかもし出す。

いるだけで違和感を感じる俳優ってめったにいないですからね・・・まあ、何というか荒川良々を初めて見たときの衝撃に近いものがあります。

さて、物語は、カツラメーカーに勤める田中ヒロシ(鳥肌実)は、人づきあいが苦手で、毎日平凡に会社と自宅とを往復していた。
郊外の自宅では父(上田耕一)と母(加賀まりこ)の三人で暮らしているが、両親からは、結婚の話を持ちかけられるが、まったく本人は、その気がない・・。良くある日常ですね。

しかし、ある日、父親が突然死してしまう。さらに、父親は、すでに退職金を前借りして何かに使ってしまっているという事を会社の人から告げられる。
そして、母も具合が悪くなり入院。さらに、彼も前々から血尿が出るため病院で検査を受けることにする・・・。

そんな中、今のままでは、経済的に破綻してしまうので、家を処分しなくてはならなくなり、引越し、本人の周りも変化し始める。
また、彼は、自分では気づいていないのであるが、その独特の雰囲気に気になる女性も現れてくる。毎日、お弁当を買いに行くお弁当屋さんの店員(ユンソナ)、俳句サークルの女性(市川実和子)、母が入院する病院の看護婦(小島聖)・・・・。

日常的な映像なのだけれど、ドラマとしては、平和な家庭が段々と不幸の歯車に巻き込まれて、変化していく事なのですが、脚本と鳥肌実の強烈な存在感がコミカルな世界を作り上げている。

脇を固める俳優も豪華で、挿入曲も昭和ロマンチック歌謡を使用しており、全体的に漂うノスタルジックな雰囲気。

明らかにB級ではあるのだけど、こういうシニカルなヘンテコなコメディがお好みの方も結構多いのでは?

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