深紅

ある悲惨な事件の被害者と加害者、それぞれの娘たちが出会い、悲劇に巻き込まれる二人の少女の物語。

突然起こった一家惨殺事件は、残された被害者家族の娘と加害者の娘の人生を変えてしまった。

修学旅行中、家族すべてを殺されてしまった秋葉奏子(少女時代:堀北真希)は、病院へと夜の高速道路を飛ばすタクシーの中、長い四時間という道のりを過ごす。そして、連れて行かれたのは、死体安置所だった。
それがトラウマとなり、「空白の四時間」という発作に襲われ苦しむようになる・・。

奏子(内山理名)は、大学生になり、自分の家族を惨殺した殺人犯 都築(緒形直人)の手記を読むうちに、何故、彼が自分と同い年の娘を持ちながら犯行に及んだのか知りたくなる。
都築が殺人を犯すには、それなりの理由があったはず・・・。

そんな時、都築の死刑が最高裁で確定する。「あたしも殺せばいいのに」と死刑囚 都築の娘 未歩(水川あさみ)は言ったという。
それを人づてに聞いた奏子は、都築の娘 未歩に会ってみたいと思う。彼女が自分より幸せに暮らしているのであれば許せない・・・。悲しい過去を持ちながらも明るく振舞う奏子の心の奥に深紅の闇が宿っていた。

事件が起こるまで普通の小学六年生だった少女二人は、まったく違う人生を歩んでいた。

奏子は、都築の娘を探す・・・彼女は、結婚をしていてバーテンダーをやっているという。彼女の店に通い常連となり、近づく、そして彼女の悩みを聞き、彼女の心の支えとなる・・・。

ある日、深夜、突然、未歩に呼び出される。タクシーを飛ばし行くと、血だらけになって倒れていた。未歩は、夫にDVをされていたのだった。
奏子は、そこで彼女にひとつの提案をする・・・彼女の目的は、何なのであろうか?復讐?

同じような境遇で生活していた二人の小学校六年生。対照的な二人の人生。 しかし「被害者と加害者の子ども」という対照的な立場でありながら、その事件により「人生を狂わされた」という共通の過去を持つ二人。

憎しみと共通の悲惨な過去は、二人にしか理解できない孤独さがある。

複雑に交差する感情が心の深い部分で、本来の自分を取り戻すことができるのであろうか? それは、「憎しみ」なのか「許す」ことなのであろうか?

誰もが持ち合わせる心の「闇」と「光」をぎりぎりの時にどちらを選択できるのか、結局はそのときになってみないと分からないのかもしれない。

『眠れる森』『砦なき者』などヒットドラマの脚本を手掛け、世を去った野沢尚が自身の吉川英治文学新人賞受賞作を自ら脚本化した遺作を映画化した作品です。

しかし、こう言った心の奥深い部分まで探求して行くと、人間の恐ろしさみたいなものが見えすぎてしまうのかもしれませんね・・・。

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