竹山ひとり旅

津軽三味線の第一人者だった高橋竹山の自伝的映画。主演は、林隆三。
家々の前で門付けをし、「ボサマ」として弾き語りで僅かな米やお金をもらい東北の町々を放浪する。

彼が歩いてきた道のりは、盲目の三味線弾きとして虐げられ辛く苦しいものであったが、人を信じる心とその楽観的な性格から多くの出会いもあった。

大道芸人、テキ屋などと一緒に歩き、隅々の庶民たちのたくましさの中で彼の三味線は奏でられた。

貧困の中、乞食同然の三味線弾きで東北の村を歩いてきた竹山が味わった辛酸や人々の悲しみ・・・。この人間味の深さが奏でる三味線の音が世間の人が耳を傾けさせ津軽三味線の第一人者として認められるようになった事は芸術家の真骨頂であろう。

貧困と屈辱の中で自ら歩き庶民とともに育んだ民衆芸術として津軽三味線を昇華させた彼の役割は大きく、多くの人に希望を与えたであろう。

東北の美しくも厳しい四季を放浪する竹山ひとり旅。人生も四季と同じように美しくもあり厳しくもある旅であるという事なのであろうか。

その後、高橋竹山は、吉川英治文化賞、点字毎日文化賞を受賞、勲4等瑞宝章を受ける。
東京渋谷にあった、「ジァンジァン」でのライブは多くの若者の心を捕らえて、全国に竹山の津軽三味線ブームをわき起こした。

また、ロシア、アメリカ、フランス等、海外公演でも高い評価を受け、1998年2月5日、全国のファンが惜しむ中、享年87歳の生涯を閉じる。

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