蛇イチゴ

平和な家庭が救いようのない状況になっていく物語。

「空中庭園」やブログで紹介した「ぶるうかなりあ」など映画でもドラマでも、こう言った「狂っていく家族がたどり着く幸せ」みたいなものを描く作品が最近、多いように感じています。

今までの常識から考えると「異質化」していく「家族のかたち」は、僕たち自身がそれを実感しているのかもしれないし、その背景として競争化社会やインターネットやケータイなど、様々な変化が及ぼした結果だとも思う。
しかし、どのような時代であっても、置かれた立場による「幸福」というものは、絶対的なものであり、それぞれ自由でいいじゃないの?と思うし、何となく身近に感じている変化する家族の現実が、こういった作品の共感につながっているのだと思う。

まあ、もっとも他人の家族の「幸福」について、とやかく言う必要もないし、映画の話ではあるのだけれども。

介護が必要な祖父 京蔵(笑福亭松之助)と、実直なサラリーマンの父 芳郎(平泉成)と、祖父の面倒を見る母 章子(大谷直子)と、教師の娘 倫子(つみきみほ)の家族。
父は、実直で仕事でも頼られる大樹のような存在。 娘は、小学校の教師の同僚と結婚する予定。

そんな、絵に描いたような家族は、祖父の死と、兄 周治(宮迫博之)が帰ってくることにより、幸せな家族が実は、ウソの上に成り立っている事が露見していく・・・。

家族のやり取りなど、どこの家庭でもありそうな脚本で、何かが狂うことで家族がおかしくなりながらも幸福へのきざしを見せる細やかな演出が見所です。

しかし、笑えたのは、父親が娘の婚約者を気に入らず、相手が帰った後、「鎌田、鎌田、鎌田、鎌田って。なんだいオカマのカマキリ、釜飯大将。オカマ掘られて飛んでけ!」という平泉成のセリフがすごく印象に残りました。

「ワンダフルライフ」「ディスタンス」の監督、是枝裕和が初プロデュースする「是枝プロジェクト」、第2弾の本作品は、28才の新鋭、西川美和の初監督作品です。

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