赤線地帯

舞台は吉原 特殊飲食店「夢の里」。売春禁止法が導入されようとしている前夜の物語。

ゆめ子(三益愛子)は、夫を亡くし、義母と病床の義父、田舎に息子を置き生計のために働きに来ている。
そんなゆめ子のもとへ突然、息子 修一(春本富士夫)が上京し店に訪ねて来る。母親として、娼婦の姿見せたくない夢子は、居留守を使った。

しかし、帰ったと思った修一は、影から覗いており、その姿を見てしまい母を軽蔑する。

ゆめ子は、何度も職場に電話して、修一と会う事が出来た。
しかし、息子からは「お前が何やって働いているのか田舎の人はみんな知ってるんだ!恥ずかしくて、いられないから出てきたんだ!」と言われ、縁を切りたいと言い放たれてしまう。

ハナエ(木暮実千代)は、失業した結核の亭主を持ち、通いの娼婦として働く。夫は、幼い子どもの子守をしながら妻を待つ。
夫は、自分のふがいなさに自殺を図ろうとするが妻に止められる。最下層の生活の中で、妻は、「この社会がどうなるのか見届けるため生き抜いてやる」と言い放つ。

より江(町田博子)は、神戸から流れ着いてきた若い娼婦ミッキー(京マチ子)に客を取られてしまう。
常連を取られてしまったより江は、泣き崩れるが、これを機に言い寄られていた下駄屋の所に嫁入りしたいという。

より江は、売春婦が借金が免除されるという記事をハナエから見せられ店を出る事にする。
店の娼婦たちは、より江が店を出る事をに手を貸し、餞別を渡し、ハナエの家で祝い送り出すのだが・・・しかし、しばらくして、より江は、嫁ぎ先で朝早く起きて食事の準備をしたり、仕事を手伝う事に辛抱ができず戻って来てしまう。

やすみ(若尾文子)は、器量に身を任せて客からお金をせびり、金貸しもして貯えをし、店の誰もが羨んでいる。近所のふとん店ニコニコ堂の主人は、やすみに入れ込み店は傾き潰れてしまう。

しかし、彼女は、疑獄事件で捕まった父の保釈金のために、この赤線に来たのだった。そのために人生がめちゃくちゃになってしまったと嘆く。

ある日、ミッキーの父が訪ねて来る。ミッキーは、神戸の貿易会社の令嬢だった。
父は、母が死んだと伝え、妹の結婚の体裁のために家に戻って来てくれと言う。
しかし、すでに父が後妻をもらったという事を知るとミッキーは、怒り、父親に自分と遊んで行けと罵る。

様々な不幸な事情を背負った女たちの日常がリアルに描かれる。

生活のためだったり、裕福な家庭に生まれても家族と上手くやる事が出来ず、逃げてきたりなど・・・。それは、きっと昔も今も変わる事がなくて、その世界でしか生きていく事が出来ないと考えるとせつなくなる。

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