罪とか罰とか

「なにか誤解があるのじゃないかということだけが、せめてもの希望です。」というカフカの小説「城」からの引用文から始まるストーリーは、何か深い意味があるのだろうか?と構えてしまう。

でも、見終わった感想は、むしろ理屈とか関係なく、夢物語のように無茶苦茶だけど、頑張れるような気がしてくる映画かな。

円城寺アヤメ(成海璃子)は売れないグラビアアイドル。久しぶりに写真が載った雑誌は、自分がさかさまに印刷されてしまう。さらに鼻の下に変なゴミが付いたまま印刷されている・・・。
コンビニの立ち読みでそれを発見したアヤメは、お金を持っておらず思わず雑誌を万引きしてしまう。

警察に連行され駆けつけたマネジャーの風間涼子(犬山イヌコ)は、担当の警察官から「タレント事務所であれば、一日署長を人気アイドルにお願いしたい」と思わぬ依頼を受けるが、スケジュールを確認すると誰も空いていない。
結局、しょうがない感じでアヤメが引き受けることになってしまう。

万引きで捕まったアイドルが何故か一日署長になる事になってしまう。

当日、朝礼のあいさつのイベントだけで終わると思っていたら、一日署長は、深夜12時までの役割だと言われ、署長室に案内されるが・・・その場所は、署の地下のおどろおどろしい場所。
しかも、アヤメを担当してくれる刑事は、殺人癖を持っている元彼 恩田春樹(永山絢斗)だった。

さらに、事件の容疑者を警官が連れて来たりし、アヤメは、想像もつかない一日署長をやるはめになってしまう・・・そんな中、管区内でコンビニ強盗事件がおこる。
署長は、捜査の指揮を執らなければならないのであるが・・・どうする?

1980」や「おいしい殺し方」でも同じように思ったんだけれど、ケラ監督の作品で一番好きな場面は、一連の騒動が終わって、しみじみ主人公が出来事をかみ締めるシーンが好きです。この作品で言えば、色んな事が終わって、工場の非常階段の踊り場でアヤメと春樹が「終わったね・・・」みたいな。

それまで起こった出来事が無茶苦茶なだけに、「そんな爽やかに黄昏て余韻を楽しんでもらっても、どうかなぁー」と思うんだけれど、はたから見たら他人の人生なんてそんなものかもしれないけど、この雰囲気は好き。

しかし、こういったイケてない女子が主人公になってしまうのも時代背景かもしれない。
映画の世界だと手が届かない華やかな世界とか悲惨な主人公とかが銀幕のイメージなんだけれど、最近では、むしろ「どこかにいそうなイケてない女子」が主人公になってしまう。

やはり今の世の中、誰もがどこかコンプレックスを持っていて、「君だけじゃないよ」とささやいてくれるようなメッセージが受け入れられているのかもしれません。

全体的には、「誤解」というキーワードがすべての主人公や出来事に繋がるように構成されています。

また、ちょっとムチムチな成海璃子ですが健康的な感じで警官の制服がかなり似合っています。
劇団「ナイロン100℃」の1996年公演(9th SESSION)『ビフテキと暴走』を原案として、映画作品にアレンジされたもの。

おすすめ度