個性的な映画ばかり見ていたので、一般受けしそうな映画を見る事にして選んだ作品。竹内結子主演、根岸吉太郎監督の「サイドカーに犬」です。
両親が離婚する時期、不安定な思いをする薫。そんな少女時代を救ってくれたヨーコさんとの思い出の物語。
「子ども」「親の離婚」「愛人」という映画を構成する要素からして、不条理な大人の世界に翻弄される子ども。みたいなイメージを描いてしまいそうだけれど、全然そう言った感じではなく、むしろコミカルでテンポも良く、楽しげな内容に仕上がっている。
大人から見ると可哀想と思ってしまう状況でも、当事者の子どもにとっては、自分を認めてくれる存在がいて、新しい発見がある日々が楽しいものだったりする場合もある。
悲しんでも現実は変わらないし、楽しんで生きることを本能的に知っているのかもしれない。
不動産会社の営業として働く薫(現在:ミムラ)。ある日、仕事でやりきれない気持になってしまい有給を取って行きつけの釣り堀に行く。
馴染みの店長から店番を頼まれてしまい、そこにいた小学校四年生の女の子の釣針にエサを付けるのを手伝ってあげる。
その子は、兄と自転車でやって来たという。
「自分は小学校四年生の夏休みにやっと自転車に乗れるようになった」と、四年生の夏休みを回想する。
小学校四年生頃、薫(20年前:松本花奈)の父親(古田新太)は、ヤミ中古車販売をしているだらしなく、いいかげんな男。母親(鈴木砂羽)はしっかり者で几帳面。
夏休みのある日、母親は家の大掃除をして出て行ってしまった。
母親が居ない家。父親が持って来たインベーダーゲームに熱中する弟(20年前:谷山毅)。
ぼんやりと過ごす薫。
そんな時、突然家にやって来たヨーコさん(竹内結子)。ヨーコさんは、たばこも吸うし、薫も弟も大好きな麦チョコもまとめ買いする。
お菓子入れは使わず、麦チョコを食事の皿に入れてしまう。
几帳面な母親とは大違いで、薫にとっては驚く事ばかりだった。ヨーコさんは、薫を子どもの扱いせず友だちの様に接してくれる。
母親から厳しく躾けられた薫にとっては、ヨーコさんと言う存在は、とても刺激的で、人の生き方や考え方というものは多様で幅広い事を知る。
そんなヨーコさんに自転車の乗り方の特訓を受け、乗れるようになった。
ある日、引退したアイドルの家があると聞き、見に行ってみようという事になり、ヨーコさんと二人で少し遠出する。
帰途は、父親がサイドカーで迎えに来てくれた。
薫は、以前に家族で旅行に行った時に見た、サイドカーに乗っていた犬の様になりたいと言う。
堂々とサイドカー座り、すこしも動かない犬。右側に飼い主が座り運転してくれる。安心して猛スピードで旅が出来る。そんなサイドカーに乗った犬になりたいと思った。
不安な未来に対する気持ちを、楽しげなポエムにしてしまう少女の逞しさが、この映画のタイトルである。
そんな頃、父親が盗難車を売りトラブルになる•••。
ハートフルなストーリーで心が温まる良作。特に少女時代、殻を抜けきれない薫役の松本花奈の演技がとても良かった。
何かそう言った窮屈でイケてない子どもの方が共感する。笑
あと、映画の評価とともに、竹内結子の代表作とされているけれど、どうも愛人でズボラな役はハマっていないように感じたんだけれど、どうなんだろう。
今までの清純派としてのイメージが強いし、顔が整い過ぎていて、どうも違和感が抜けきれない。
その点がすこし気になる作品ではありますな。でも良い作品だと思いました。
原作は、芥川賞作家・長嶋有の同名小説です。




