天使突抜六丁目

シマフィルム製作「京都連続」シリーズ第一弾「堀川中立売」が意外に面白かったので第二弾のこの作品を見てみた。
山深い京都のミステリアスで幻想的な雰囲気はよく出ていたと思うけれど、後半のまとめ具合はグダクダというか深みがなく残念な感じです。

ストーリーは、主人公の五十嵐(真鍋拓)が勤務する工場が突然に倒産してしまう。何か持ち出せるものが無いかと工場に忍び込み物色していると借金取り(麿赤兒)たちと鉢合わせになってしまう。

五十嵐は、巻き込まれるのを恐れ逃げ出すのであるが、借金取りたちは追いかけて来る。仕方なく山の中まで逃げ長いトンネルをくぐり歩き続ける…。

気が付くと知らない街並みを歩いていた。そこで、五十嵐は疲労で倒れてしまう。

目を覚ますと部屋の中に寝ていた。そこには自分の同級生 佐々木(服部竜三郎)と名のる男がいるのであるが五十嵐には思い出せない。

しかし何かと親切な佐々木は五十嵐に管理しているアパートの二階の空き室を提供してくれる。

そして、五十嵐がトイレに行こうとすると急に扉が開き人が倒れて来た。その女は、みゆき(瀬戸夏実)という女で不思議な魅力を持っていた。
みゆきはトイレを汚してしまっており、五十嵐は仕方なく掃除する。それをきっかけに五十嵐は、みゆきと親しくなる。
ある日、みゆきは奇妙なことを言った。「自分の背中には羽が生え始めている。この羽が生えたら飛んで町をでて行く」と。

アパートの一階には旦那を亡くし頭がおかしくなった老婆がいた。五十嵐は老婆から「あの女に近付くと食い殺されてしまう」と忠告されるが、本気の言葉なのか気がふれた言葉なのか分からない。

覚えていない同級生が管理するアパートに住み、奇妙な住人たちに囲まれた生活が始まる。

さらに五十嵐は、新聞広告で警備員の求人を見つけ、勤めるようになる。そこで杉本(柄本明)と言う化石マニアの老人と親しくなるが…。

地図に無い「六丁目」に迷い込んだ主人公が混沌として迷路のような京都の町の中に吸い込まれ古都が醸し出す古来からの都市伝説・・・そんなイメージをしていたんだけれど、ぜんぜん違う展開で戸惑っています。
まず京都の町並みはあまり出てこないし、「この町、地図に無い!」と主人公が驚くような場面もありません…。

まあ、五十嵐のように真面目で堅実な人が、倒産で職を失ったり、不幸な事故に巻き込まれたりとかすると「自分はちゃんとやって来たのに」「自分は悪くない」と思い詰める精神的な状況になる場面があるんだけれど、まあそれは、そうなんだろうな。
五十嵐を巻き込んだ女は、羽が生えたら何処かに飛んで行き好きなように暮らしたい。と言う自分本位な願望を持ち続ける。

まあ、男と女の持つている性質みたいなものの表現として悪くはないんだけれど、これはこの映画が訴えたかったものなのかな?と思う。

前半は知らない街(それほど街じゃないけど)に夢を見ているように辿り着いた。という展開だったんだけれど、後半の五十嵐とみゆきの関係に主題が移ってからストーリーが変な方向に行ってしまい残念。

確かにミステリーを追求するとエンディングで納得できるような答えを用意しないといけないが…まあ、残念だけど仕掛けと言うか企画力不足は否めないかな。

また天使突抜町(てんしつきぬけちょう)という町は京都に実在し、由来は五條天神宮が「てんしん」が「てんし」とも呼ばれていたとか、天神に行く神の使い(天使)が通っていたなど、様々な説があるそうです。

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