会社で強引に誘われて急遽観に行った作品。東野圭吾のミステリー小説の映画版で、テレビドラマ「新参者」のシリーズとして位置付けられるもの。登場人物など、ドラマと同じキャスティングとなっているTBS版のテレビ局ビジネスモデル映画です。
まあ、精緻で深い小説を原作としているところと、「地味なタイトルの映画には掘り出し物がありそう」とか、「麒麟の翼」というキーワードが予告版でミステリアスに演出されていたので少し期待して観に行きました。
簡単に評価すると、すぐに「新作だけど一週間レンタル」でTSUTAYAに並びそうな映画です。
ストーリーは、日本橋にある「麒麟の翼」像の前で一人の男が死亡する。男は青柳武明(中井貴一)という人物で建築部品メーカー「カネセキ金属」製造本部長だった。青柳の死因はナイフによる刺殺だったのであるが、刺された地下道から死亡場所まで血痕が残っており、男は300mも歩いてきていたのだった。
途中、交番もあり人通りもある道筋なのに何故、青柳は救助を求めなかったのであろうか?
警察による緊急配備の中、不審な人物として八島冬樹(三浦貴大)が見つかるが、警察との揉み合いから逃げた勢いで車道に出てしまいトラックにはねられ意識不明となってしまう。そして、八島は青柳のものと思われる所持品を持っていた。
さらに、八島は「カネセキ金属」に派遣切りにあったと言うことがわかり、その復讐として事件を起こしたと断定して捜査が進められる。
しかし、加賀恭一郎(阿部寛)や松宮脩平(溝端淳平)は青柳の家族や八島の恋人 中原香織(新垣結衣)に聞き込みをしていく中で、不可解な点が多く事件には、派遣切りの遺恨などではなく、もっと深い真相があるのではないかと感じはじめる。
しかし、捜査本部は、八島の意識が戻らないまま容疑者として送検して事件を早く片付けようとするのであるが・・・。
まあ、際立ったツッコミ所もないし、ストーリーの起伏もないなど言えばきりがないのであるけど、まず視点が中途半端で散漫とした印象です。登場人物のさまざまな思いや背景があるんだけれど、その内面を描写することもなく、まとめる存在で阿部寛が登場しちゃう感じで、ミステリーというより、タイトル名が「刑事 加賀恭一郎」かと思ってしまうほど出過ぎです。
さらに「カメラワークが最悪」。日本橋の街を加賀と松宮が聞き込みに周るシーンがあるんだけれど、「刑事が街を走って聞きまわる場面」を画面を二つに割って表現している。そう、伝説の「太陽にほえろ!」のお決まり場面です。
ひょっとしたら深い意味のあるメッセージがあるんでしょうかね。オマージュとか。
しかし、テレビドラマとの関連性。原作が人気小説。という色んなしがらみの中で忠実に映画化したと言う所がビジネスライクに作品を「仕上げた」という製作側の温度がすごく伝わって来る。
関係者から(もしくは熱烈なドラマファン)見たら及第点だけれど、劇場客の事を果たして考えているのであろうか?と疑問がわいてしまう。
まあ、テレビ局がバックアップしても儚く消えて行くような作品という所はある意味、邦画らしい。
作品はともかくとして、この「シュールなビジネスモデルとしての存在」はネタにはなるかなと。得たものはそんな感じです。




