FLOWERS -フラワーズ-

資生堂が特別協賛しており2010年の「TSUBAKI」のCMに出演していた蒼井優、鈴木京香、広末涼子、竹内結子、仲間由紀恵、田中麗奈など主演級の女優たちが昭和から平成にかけて「輝く女性の生き様」を演じる。

昭和11年、春。凛(蒼井優)の結婚が決まっていた。しかし、文学好きで進歩的な凛は「親が決めた相手と結婚しなければいけない」と言う古い考えで物事が進んでしまう事に納得が行かない。
そして、結婚式当日にあてもなく家から逃げ出してしまうが…。

昭和30年代。凛には三人の娘がいた。長女の薫(竹内結子)は新婚旅行で行った同じ場所、同じ旅館を訪れる。
薫の夫、真中博(大沢たかお)は結婚してすぐに交通事故で亡くなってしまっていた。薫は、夫の事が忘れられないのだった…。
次女の翠(田中麗奈)は、当時としては珍しいキャリアウーマンで出版社に勤めていた。男勝りの性格で仕事をバリバリこなしているのであるが、男ばかりの職場では何かと衝突してばかりである。
ほかの出版社の菊池(河本準一)からプロポーズを受けるのであるが、仕事から逃げるような気がして気が進まない…。

昭和50年代。三女の慧(仲間由紀恵)は、優しい夫の晴夫(井ノ原快彦)と幼い長女 奏と幸せな日々を送っていた。慧は二人目の子どもを授かるのであるが出産はかなり危険を伴うものであると医者から言われる。
「今回は諦めよう」という夫に対して、慧は「この子を産まなかったら絶対に後悔してしまい私は笑えなくなってしまう」と生むことを決めるのである…。

平成21年。凛の孫にあたる奏(鈴木京香)は、東京でピアニストとなっていたが自分の才能に限界を感じていた。さらに年下の彼氏に振られてしまったのであるが、自分が妊娠している事に気づく。

冬に祖母の凛が亡くなった。葬儀のため実家に帰ると地元で暮らしている妹の佳(広末涼子)は、親戚の人たちと賑やかに明るく過ごしている。

お通夜の食事の時、アルバム写真から奏と佳の母である慧の話になった。
慧は佳を出産したときに亡くなったのだった…。

家系と言う脈々と流れる「いのちで繋がれた1本の糸」の中で父と娘、母と子、夫と妻、姉と妹などをテーマに、それぞれが直面する現実に直向きに対峙する姿を描いているのであるが、「今」を精一杯に生きている女性は、いつの時代でも強く美しい。

カメラワーク、時間の流れなど小津安二郎監督を意識した、画角や時間が余白と言うか空白を感じさせる。
さらに、画像の色使いや物語のスピード感などを時代により変化させる事により、オムニバスでありながら時代変化を表現しているのは、きめ細かい演出のこだわりだと感じた。

誰にでもある、家庭の安らぎ、仕事の行き詰まり、ささやかな喜び、家族との出会い、そして死別。
しかし、人生を俯瞰して見るとき、(この映画では女性の立場であるが)困難や決断の時を向かえた時が一番輝いている瞬間なのであろう。

見終わったあと、ふと「自分の家系ってどうだったんだろう」と考えてしまった。
母やその兄弟。祖母やその兄弟は、それぞれの時代や運命と格闘しながら生きて来たのであろうか。

毎日のさまざまな喜びや悲しみの積み重ねの中で、今の自分があり、その自分も小さなことで喜んだり悲しんだりする。
その時は必死なんだろうけど、振り返って見たとき、その瞬間が充実した時なのかもしれない。

行き詰った時、落ち込んだ時に(特に女性の方に)励ましとなるような映画ではないかと思います。

しかし、ここまで豪華な女優陣なので、このサイト的には少し減点かな。笑

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