真夏の方程式

福山雅治が物理学者 湯川学を演じるテレビドラマシリーズの劇場版第2作ですがドラマも第1作目も見ないまま劇場に足を運んでしまいました。

フジテレビのドラマ映画は、見ていないとさっぱり分からない。というものが多かったんだけど、この作品は予備知識なしでも観ることができます。

原作は、東野圭吾の小説で、美しい海が残る玻璃ヶ浦という港で海底資源の開発計画が持ち上がり、その説明会に有識者として湯川(福山雅治)は招かれる。
旅館「緑岩荘」を滞在先として選ぶのであるが、そこは環境保護活動のリーダー成実(杏)の両親 川畑夫婦(前田吟、風吹ジュン)が経営しているものであった。そして、そこで川畑夫妻の甥 恭平と知り合う。

やがて旅館の近くで男性の変死体が発見され、遺体の身元が「緑岩荘」に宿泊していた元捜査一課の塚原(塩見三省)だということがわかる。
現地入りした捜査一課の岸谷美砂(吉高由里子)は、塚原の死に不可解な点があることから、湯川に事件解決への協力を依頼する。そして、転落死とみられていたが解剖の結果、死因は一酸化炭素中毒死ということが判明し、殺人事件として捜査が進められる。

そして、殺人事件の解明に巻き込まれていくうちに、湯川は、過去の悲しい出来事に直面していく・・・。

美しい海が残る玻璃ヶ浦という街。この美しい自然をじっくり見させる映像美と、過去に縛られた登場人物たちの思いなどを演技する場面にすごく時間が割かれている。

それはそれで楽しめるんだけど、時間の長さの割には語れる中身としては、それほど多くなかったりする。

おそらく原作では玻璃ヶ浦という街の美しさ、過去への懺悔の想いなど、文学的にストーリーを盛り上げていく流れがあって・・・それを忠実に映像化してるんだろうと思うのだけど、とてもスローなテンポを感じてしまった。

また、過去の悲しい話として昇華しているが、事件の原因が女性のだらしなさや、その顛末も何も知らない者を殺人に加担させてしまうなど、よく考えるとエゴイズムな話しだったりする。

その謎を湯川が解き、善悪の定義付けをしていく。それは、スカッとする派手なものではなくて、犯行に携わった人や巻き込まれた人たちへ一つひとつ違う角度から適切な解答を伝えるような感じです。
それは、決まった解答ではなく、後は本人がどのように判断して行くのか。というものではあるけど。

このあたりは、すごく小説的な感じがした。そのまま映画化しちゃった感じですかね。

唯一、僕の琴線に触れたのが、冷酷なヤクザとしての印象しかなかった白竜が「愛のために罪をかぶる」と言う正反対の役柄を演じたこと。
このアンバランス感というかセンスには軽い衝撃を受け、とても評価したいと思います。

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