告白

ずっと見たかった話題作をやっと観る事ができました。「下妻物語」「嫌われ松子の一生」などの中島哲也監督の作品。
「残酷な子どもに対して復讐する教師」というタブーをエンターテイメントなサスペンスに仕上げた評価の高い映画です。

物語は、ある中学校の教師をしている森口悠子(松たか子)の娘が学校で事故死する。シングルマザーの森口は、水曜日の夕方のみ保健室で仕事が終わるまで娘を預かってもらっていたのであるがプールで溺死してしまう。

警察は事件性がないと判断し、このことは事故と判断される。
しかし、終業式を終えたホームルームで森口は、「娘が死んだのは、事故ではなくクラスの生徒に殺された。犯人は、AとBと二人いる。そして、先ほど二人が飲んだ牛乳にHIVウィルスに感染した血液を注入した」と告白する。

クラスは、騒然となり、AとBが特定されるのであるが・・・。

事故(事件?)を取り巻く登場人物たちの「告白」で進んで行くオムニバス形式の作品で、それぞれの告白は、極端で偏見に満ち溢れている。そして、自分本位だ。

「子どもはこんなんじゃない」という意見もあるかと思うけど、むしろ、子どもと言うよりこれ程、偏狭で屈折した自己中心的な人間も少ないと思う。

しかし、自分を登場人物の立場に置き換えてみると、少なからず同じような心が芽生えるのではないだろうか。

例え犯人が中学生であろうと愛娘を自分本位な理由でゲームのように殺害されてしまったら、復讐をしたいと思うのが自然ではないだろうか。

しかし、普通の人であれば、自制心や常識など相反する心も持ち合わせていて実行には至らない。

この映画は、この相反する人間の心のネガティブな「嫌な部分をディフォルメ」した作品だと思う。

そして、不快な登場人物に少しでも共感してしまう自分が嫌な気分だ。

それが、一人称の告白として事実や妄想も含めてミュージカルのように展開され、洗練された映像で物語が繰り広げられる。
もう、カメラワークが無茶苦茶良いし、編集もすごくセンスがいい。

作風は、中島監督の今までの作品と同じであるが、扱われている題材が今までのように軽いものではなく重い。

人間の闇の心を極端にディフォルメし、視聴者の心理を揺さぶる。そう言う心の動きみたいなものも設計された完成度の高い映画だと思います。

おすすめ度