評価の高い映画なのでDVDで見てみました。いわゆる舞台劇を映像で表現しているわけなんだけれど、しっかりした構成の中にも映像ならではのテクニカルな手法も盛り込まれており、完成度の高い作品と思う。
見始めて、そのテンポとドライブ感のある進行は本当に舞台劇を見ているよう。
舞台は追悼パーティが開かれる一室のみでありながら、絶妙な間の取り方や精緻なシナリオ構成により、まったりとさせることなくグイグイとスピード感のある展開に引き込まれていく。
物語は、自殺した売れないアイドル如月ミキのファンサイトの掲示板で知り合った者同士が、追悼パーティー(オフ会)として、あるビルの一室に集まる。お互いはインターネットの掲示板でしか交流が無く、面識が無い。
メンバーは、掲示板の主催者の家元(小栗旬)、安男(塚地武雅)、スネーク(小出恵介)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、いちご娘。(香川照之)の5人である。
追悼パーティーでは、家元の如月ミキの秘蔵写真などの鑑賞から始まり、和やかに進んでいくのであるが、「如月ミキは自殺ではなく他殺ではないか?」というオダ・ユージの衝撃的な話により、急展開する。
さらに、犯人は今日集まったメンバーの中にいるという・・・。
キャスティングにも無駄が無く、「まとめ」、「リズム」、「論理」、「区切り」、「視点の切り替え」など、それぞれのキャラクターが、その場面場面において役割を演じており、シナリオとしては完璧に近いものがあると思う。
例えば、主催者の家元は、進行のまとめ役、スネークの重ねるような突っ込みはリズム感を高め、オダ・ユージは何かとネガティブに論理を組み立てようとする。
また、腐ったアップルパイを食べてしまった安男はトイレに篭っており、間の悪いところで登場する。しかし、この登場が絶妙で、物語のメリハリというか区切りをうまく付けてくれる。
さらに、イチゴ娘の存在が、視点の切り替えに大きく貢献しているように思う。
このような基本的な役割を持ちながら、それぞれが微妙に立ち居地を変化させていく手法は見事としか言いようが無い。
また、この作品で個人的に印象に残ったのは、小栗旬の存在。男性から見ても家元の「ちっぽけなファン」の存在はハートフルで、とてもホットな気分にさせてくれる。
ニッチな分野に関心を持つオタク系男子であれば、きっと共感できることでしょう。
ただし、女性から見ると、ちょっと視点がマニアックすぎて覚めてしまうかもしれません。笑




