公開一ヵ月後に劇場に行ったにも関わらず結構客が入っていた。やはり、三谷作品は人気があるんでしょう。
個人的に、最近ミニシアター系びいきなので、「ちっ!フジテレビ・東宝が作った舞台劇風の小洒落た映画なんか面白いなんて言ってやるもんか」と挑んだ訳ですが、悔しいけど面白かったです。
物語については、もうタイトルや予告編でご存知の通りかと思うけど、一応さわりだけ紹介します。
優秀な弁護士を父に持ち、その憧れから弁護士になったエミ(深津絵里)は被告人から断られる程、失敗ばかり。
弁護士としての自信喪失の中、事務所の所長(阿部寛)から「これが最後のチャンスだ」とある案件を渡される。
その事件の被告の矢部(KAN)は、元妻(竹内結子)殺しの容疑をかけられていた。しかし、矢部にはアリバイが無く裁判は不利な状況。
早速、エミは矢部と面会する。事件が起こった時、彼は寂れた旅館に泊まっていたが、床についてからの行動を証明してくれる人は誰もいない。
さらに旅館の女将(戸田恵子)が部屋を覗いた時、矢部がいなかった。と言う証言もあった。
困窮するエミに矢部は「その時間は金縛りにあい、一晩中動けなかった。」と言う。
さらに「唯一の証人というと、金縛りの時に自分に馬乗りにまたがっていた落武者の幽霊しかいない」と言う。
仕方なくその旅館に行く事にすると、矢部はトイレに言った時に部屋を間違えてしまったのではないかと気づく…。そんな時、大雨で道路が封鎖され東京に帰れなくなってしまう。
せっかくなので、落武者が出ると言われる部屋に泊まる事にすると、真夜中に金縛りにあい落武者(西田敏行)がまたがって来た…。
その落武者が裁判で証言すると言うコミカルなドタバタ裁判劇となっている。このあたりのオーソドックスでシンプルな「分かりやすさ」も一般受けする理由かもしれない。
映画じゃなくても舞台劇で十分再現できるのでは無いかと思われる三谷幸喜らしい作品で、デートにも家族で観に行っても安心して笑え、後で会話も盛り上がるような作品です。
まあ、日本映画エンターテイメントとしては、ある意味、正解のひとつの形なんでしよう。
しっかり固めた構成のシナリオで豪華キャストが出演。テレビ局も支援し、三谷幸喜もバラエティにドンドン出て映画の宣伝をする。
作品は、R指定とかされないウイットに富んだコミカルなミステリーで、女性向け。
外れないので収益予想も立てやすいからスポンサーも安心ですね。
ただ、そういった狙いと言うか目論見がスクリーンの向こう側に感じさせるのも確かで、作り手側は意外と醒めた目線なのでは無いかと思ってしまう。シナリオとか脚本と言うのは、ある意味そう言うものなのかもしれないけど。
こういった作品と対局にあるのが、「あえてタブーに取り組んだ」ような作品だと思う。
テレビを中心に日本国内のエンターテイメントとして完成させる映画ビジネスモデルと「監督が作品と心中する」ような作品。で、場合によっては海外でも評価されるもの。
無論ビジネスであるから興行的に成り立たなければいけないが、コントラストのある二つのスタイルは興味深いなと、この作品を観て感じました。
あと、印象に残ったのは、この作品のコメディの大部分は西田敏行の役割が大きいともいえる。というか、「西田敏行じゃなきゃダメだ」という位の存在感。あと、竹内結子が悪女役で登場しているけれど、舞台だったらいいけど映画では違和感があるんじゃないかな。と言う感じでしょうかね。
でも、普通に面白かったですよ。笑




