ほとんどセリフの無い映画で、日常の出来事や風景の中で演じられている。
女性目線を意識した映画で、恋愛をしている女性から見ると、こんなふうに世の中が見えると言うか・・・変換して記憶されてしまうのかもしれない。
30代を目前に控えた女性が、仕事と恋愛に揺れながら自分自身の生き方を選択していく。
広告代理店のマーケティング局に勤める水野綾美(田波涼子)は、美人で仕事も要領良くこなすのであるが、どこかつかみ所が無く、印象が薄い普通の会社員。
親友の笠井妙子(黒坂真美)は、結婚が決まり、幸せそうなのであるが、綾美は30歳を目前にひかえて彼氏に振られてしまい、仕事に生きようと決める。
綾美は、気分転換にフリーマケットに出店するが、そこで同じ会社の倉沢彰彦(西島秀俊)がラジコン飛行機を探しているのを見かける。
ある日、社内の自動販売機でカップラーメンを買うと箸が無かった。その時、倉沢が、箸を二つに折って綾美に渡す。
それが、二人の出会いだった。
プロジェクトを一緒に取り組む機会があり、次第に近づく二人であったが、倉沢は、なかなか自分のことを話してくれない。
また、綾美は取引先の写真プロダクションの社長 石井可南子(深浦加奈子)から転職を勧められる・・・。
公開が2005年なので、今ほど景気が厳しい状況ではなかったので、忙しくも華やかな舞台として、二人が勤める広告代理店として設定されています。今でも、こんな感じなんでしょうかね。
あと、親友役の黒坂真美は「ココニイルコト」という同じ広告代理店を舞台にした映画でも、主人公をいじめる同僚OL役として出演しています。
静かな主人公に対比する同僚役としてコントラストが効いている配役ですね。
物語の感じからすると、女性が過去の恋愛を振り返り、思い出を美しく翻訳してナルシチズムを楽しんでいるようなイメージ。
「私って、こんな恋をしたわ・・・」みたいな思い出と空想に戯れるような・・・そういう経験をした方はシンクロして楽しめるかも。
また、恋愛と女性の生き方というテーマを主人公の内面に焦点をあてている映画なので、全体的なストーリーとして何かを訴えるも作品ではなく、あくまで個人を描いている映画です。だから、「こんな恋愛があった」という、何処にでもありそうな恋物語というコンセプトなのだと思う。
なので、気合を入れて見ると言うより、女性だったら過去の恋愛とリンクしてみる感じだと思うし、男性だったら、女性の恋愛観の学習用という感じで見ると、ちょっと発見があるかもしれません。笑
また、この作品で、写真プロダクションの社長役として深浦加奈子さんが出演していますが、この三年後に大腸ガンで亡くなられています。作品をピリッと締める存在感がある女優として活躍していたのに残念です。




