重力ピエロ

この映画も話題になっていたので、見てみました。最近、流行に敏感になっているいけない傾向です。

大学院で遺伝子を研究する泉水(加瀬亮)と芸術的な才能を持ちグラフティアートを消す仕事をしている弟の春(岡田将生)、そして、優しい父(小日向文世)の三人家族。

母親(鈴木京香)は、数年前に自動車事故でなくなっており、兄弟は、時々、リタイヤして養蜂業を営む父を訪問する、普通の仲の良い家族。

最近、家族が暮らす仙台市内では、連続放火事件が発生し、話題になっていた。

ある日、春は、放火事件が起こる近くにグラフティアートがあると言う法則に気付き、何かのメッセージでは無いかと、兄に相談する。
二人は、その犯人を捕まえようと、グラフティアートの近くを待ち伏せをするが、なかなか足取りはつかめない。

そして、泉水は、グラフテイアートの頭文字が遺伝子のメッセージを表しているのでは無いかと気付く。

放火事件の謎を追いかけてゆくことで、家族の悲しい過去の記憶へとリンクしていく・・・。

伊坂幸太郎 原作の映画で、非常に精緻的な作り方がされている作品です。
重いテーマのミステリーを軽やかな美しさで表現している完成度の高い作品と言えるでしょう。

この作品は、言葉がキーワードとして大切にされているようにも感じた。
深い言葉という意味ではなく、瞬間に発せられた言葉がストーリーや顛末に帰結するような、スマートで軽やかな使い方。

例えば、「春が、二回から落ちてきた。」という、物語のはじめに出てくる言葉は、最後の結末のシーンに結びつき、幼い頃、家族で見に行ったサーカスのピエロの空中ブランコを見て、母親が言う「楽しそうに行きていれば、重力も効かなくなる。」というセリフは、物語り全体に帰結する。

そう言ったライトな言葉をキーワードとして、重いテーマを軽やかにしてしまう少し現実離れしたティストが好みの分かれる所だと思う。

また、ストーリーや映像の構成が設計のように組み立てられているため、個人的には、積み上げられた論理が優等生すぎて、もっと人間らしい感情的な言動や行動があった方がリアリティがあるように思うのですが、このあたりも好みが分かれる所かもしれません。

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