おろち

楳図 かずお原作の漫画「おろち」の実写版映画。
永遠の命を持つおろち(谷村美月)は、過去からずっと人の運命を見つめるために生きてきた少女。

その少女がある豪邸で暮らす双子の姉妹、一草(少女時代:佐藤初)、理沙(少女時代:山田夏海)の運命を見届ける。
姉妹の母親は、代々続く名門一族の女主人であり、銀幕のスター女優、門前葵(木村佳乃)だった。

幼い頃、妹の理沙には歌の才能があった。
しかし、姉の一草は、歌のレッスンをどれだけ受けても上達しなかった。

厳しいレッスンが幾日も続き、上達しない一草は、母親から罰を受け続けた。
一草は、自分に歌の才能が無いと分かると、母親が出演している映画を見続け、セリフを覚え練習するのだった。

門前家の女には、悲しい宿命があった。それは、29歳になると段々と化け物のように変化してしまうという運命だ。
母親の葵も、29歳になり、銀幕を引退し、酒に溺れ自暴自棄になり、車で事故を起こしてしまう。

そんな葵を助けようとして、おろちは、事故に巻き込まれ怪我をしてしまう。
本来なら、彼女は、100年に一度眠るのであるが、出血のため深い眠りについてしまう。

そして、おろちが気がつくと・・・それは、20年後の世界だった。
おろちは、流しの夫婦に拾われ、育てられている少女となっていた。
親子流しとして、飲み屋を周り、こき使われている悲しい娘と同化していたのだった。

そして、そこに門前家の妹の理沙(中越典子)が迎えに来る。

20年後の世界では、姉の一草(二役:木村佳乃)が大スターになっており、妹の理沙は、姉の付き人をしていた。

一草と理沙は、まもなく29歳になろうとしていた。
二人に忍び寄る運命の奇病。しかし、母親の葵は亡くなる寸前に、秘密を理沙に告げる。

そして、理沙が言うには、自分には、門前家の血が繋がってないということだった・・・。

それを知った姉の一草は、毎日、妹の理沙をいたぶるのだった・・・。

作品は、昭和のディテールで美しい映像ではあるけれど・・・ちょっとセリフの間が舞台っぽく、「まったり」とした感じです。

もっとも、演劇風に作ることで、銀幕っぽいイメージを演出したい気持ちも分かるんだけど、その分、大げさな立ち振る舞いの割には、ストーリーは、スローリーなテンポで、展開も・・・ある意味予想通りという感じです。

また、設定などは細かくされているようなんだけれど、それぞれの登場人物が抱える背景などは、あまり語られていなくて残念。

おろちと同化してしまった、流しの少女の不幸と貧乏から逃げ出したい気持ちと悲しさ、執事の西条(嶋田久作)が医者を辞めてまで、なぜ執事になっているか、流しの夫婦とかすごい存在感があったのに・・・少女を拾った経緯などなど、もっと掘り下げて表現して欲しかった。
そうしたら、もっと厚みのある作品になったのに・・・と思ってしまいます。

ちなみに山本太郎がモテモテな映画プロデューサーなんだけれど、なんだかちょっと違う感じです。
昭和の戦後のはずなのに「90年代のにおい」がしてしまう。

あとやはり、ちょっと血が痛いです。針とか輸血とか、苦手な人は要注意です。

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