ずっと気になっていたこと。心の重荷になっていたこと。いつかは、決着をつけなければいけないと思っていること・・・。
生きている事で誰しも、そういった心の引っ掛かりを持っているのでは無いだろうか・・・?

仕事もプライベートも順調だった野崎(大沢たかお)は動脈瘤で倒れる。手術をしなければ死ぬが、成功しても記憶が無くなると聞かされた。会社も辞めて現実逃避した矢先にある話が舞い込む。

それは、初老の弁護士 鳥越(柄本明)を車に乗せて東京から鹿児島へ行く運転手のアルバイトだった。その仕事を受ける事にした野崎は、鳥越から高速道路を使わないように指示されて戸惑うが、旅の目的を聞かされゆっくりと国道を使い鹿児島へ一緒に行くことにする。

東京から鹿児島へ、国道沿いに走るロードムービー。
この道は、かつて、鳥越が妻と新婚旅行で走った道だった。

数十年前の記憶の映像とともに走る道のりは、彼の人生を振り返るようでもある。
鳥越の青春時代、若い妻との思い出、それは、走馬灯のように巡るのであるが、彼は、どうしても妻の顔を思い出すことができない・・・。

鳥越は、どうしても鹿児島に行き、この道のりの中で過去に置いてきた妻との思い出に区切りをつけようとしていたのだった。

野崎は、この旅の中で、人生の決着をつけようとする鳥越の旅に立ち会うことにより、生きるということに希望を持つようになる。

自分自身を一番見ているのは、自分自身である・・・鳥越の自分自身に決着をつけようとする姿は、とても共感が持てる。

ネタバレしないように書いているので、分かりにくくて申し訳ないのですが、とても良い映画です。

この作品で野崎の恋人役で西田尚美が出演しているのであるが、彼女は、東京に居て、野崎の旅先からの電話で話すという設定である。この電話での話が野崎の心の変化をだんだん変えていく、良いアクセントになっているように感じました。
ちなみに彼女は、nonnoなどのモデル出身でありながらとても演技の上手い女優として定評ですね。

原作は、「GO」などの金城一紀原作、監督はテレビ出身でこれが映画デビューとなった西谷真一。

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