イン・ザ・プール

ストレスが蔓延する社会、やっぱりどこかおかしくなってしまう人は、いるのでしょうね。この映画は、勃起症の男(オダギリジョー)、神経症のルポライター(市川実和子)、プール依存症のエリート(田辺誠一)などが伊良部総合病院に訪れ精神科医 伊良部(松尾スズキ)の治療を受ける物語。

精神科医というと優しくメンタリティな治療なのが本来の治療なのでしょうが、この伊良部の治療というのがまったくのいい加減なもの。

神経症ルポライターには、「今日は治療なんてしたくないからお茶でも飲みに行こう」といって連れ出し、適当な話をして、おごってもらい挙句には雨が降ってきたから傘を借りて、おかげで彼女は、ずぶ濡れになって帰らされる。

さらに次の治療は、近くにライバルの病院ができたから一緒に石を投げに行こうと言い、彼女にやらせたり、まったく自分本位でいい加減な医者なのだ。

また、勃起症の男の原因が別れた妻ではないか?という仮説のもと元妻の勤める会社まで行き伊良部は「このメス豚淫乱女!」と罵声を浴びせに行く。勃起症男は、離婚の原因が妻の浮気だったため、その事がずっとトラウマになっており、ある意味、それで気持ちの区切りがついてしまう。

こう言った、精神科医 伊良部のいい加減な行動や治療というのは、ある意味、患者にとって結果的にいい治療になったのかもしれない。ストレスに直面した本人は、大変なのでしょうが、このいい加減な精神科医に何だか巻き込まれながら自然と治癒していたり、本来の立ち位置に立っているというような気がする。

考えてみたのですが、「自分とはまったく違う人間との出会い」というのは、とても大事なような気がします。個人的な経験なのですが、ある時期、その頃とても嫌いないわゆる「ヤンキー系」の人たちと過ごさないといけない事があったのですが、彼らのシンプルで人間味のある考え方というのは、自分の偏見や思い込みを打ち破ってくれた事があります。

いろんな意味で、色々巻き込んでくれて迷惑極まりない事もあったのですが、走り回っているうちに本来の自分を取り戻すという事はあるのでしょう。(抽象的な表現で申し分けありません)

みなさんも是非、冒険的な生き方をしてみるといいかもしれませんね。僕はもういいですけど。

この作品は、直木賞作家 奥田英朗の人気シリーズから『イン・ザ・プール』を映画化。監督はシティボーイズライブの作・演出から、「ダウンタウンのごっつええ感じ」『トリビアの泉』なども手がける”笑いの鬼才”三木聡。また伊良部役に初主演となる劇団 大人計画の松尾スズキといった、豪華&冒険的なスタッフで制作されております。

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