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「思うに、あんたにゃ 人生の目標がない。」
コウイチ(中村七之助)が野沢さん(上戸彩)に問う・・。

え?!僕も目標あるんやろうかぁ・・・「人生の目標」。
子供の頃の夢?パイロットになること?野球選手になること?リアルな夢?お金持ちになること?大きな家に住むこと?出世することとか?
でも、それって「人生」の目標なのだろうか?

映画のストーリーは、登校拒否の女子高生 野沢朝子が、ふとしたきっかけで10歳の小学生 青木くん(神木隆之介)と押入れの中で、Hなチャットのアルバイトを交代で行い、奇妙なエロの世界に迷い込む物語である。
女子高生と小学生が人妻役になって、男たちの欲望に応える、異様な押入れ空間で過ごす。。。

しかし、二人とも、このエロの世界の中というより、二人で一時期、現実を離脱したことにより、抱えていた問題や悩みに対して答えを見つける。

半年間、学校を休んだ彼女は一つの答えを見つけて、コウイチに話す。

生きていたい。誰かに会いたい。話したい。
関わり合いたい。直に会って触れ合って繋がって大切にしたい・・。
どうしようもないものを好きになりたい。
退屈でも、くだらなくても、そのうちきっと・・・。

「よくできました。じゃあね。」コウイチは、去っていく。

きっと、というか現実なんだろうけど、「人生の目標」という、おおそれた目標は、日常のなんでもないことを言うのだろう。

この映画の原作は、綿矢りさの作品だ。そう、「蹴りたい背中」で第130回芥川賞受賞。19歳11ヶ月で史上最年少で受賞した彼女の作品である。

「チャット」「インストール」「エロ」「お金」など、本質を見逃してしまいそうなキーワードで構成されている作品であるが、朝子の答えは、すべての人に当てはまる正しい答えのように思えてならない。

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