原作を読むとわかるのだが、京極夏彦の原作に忠実に演出された作品。
「怪」シリーズは、必殺仕置人風だったけれど(これも好きなのだが)京極作品を忠実に描くと、こうなるのであろうと思う。しかし、リアルな人間模様が痛々しい。
ストーリーは、切ないラブストーリー。しかも、これは「四谷怪談」をモチーフにしている。今までに無い新解釈で作品作りをしていることに驚かされる。
醜いとされる「お岩」(小雪)を醜い美しさにし、その夫である伊右衛門(唐沢寿明)は、純愛を貫くというお話しからしてすごい解釈だと思う。
醜く顔がただれた、お岩の男勝りの性格とぶっきらぼうで自分の気持ちを上手く表現できない男 伊右衛門のすれ違い。よくある男と女の物語。
だが、時代は江戸。権力を傘にこれどもかと嫉妬深い上司 伊東(椎名桔平)が裏で糸を引き、二人は引き裂かれる。お岩は伊右衛門のために身を引き、伊右衛門はお岩に嫌われたと思う。
始めは、真っ暗な画面で話が進むので、よく理解できなかった感じではあったが、当時の時代背景を考えると夜の設定は確かに本当に真っ暗だったのだと思う。むしろTVの時代劇のように部屋も外も夜でもいつも明るいという方が不自然なのかもしれない。(毎晩月夜ということも無いだろうし)
また、暗闇の中で進むのだけれど、色々付せんがあるので、気にせずにひとつの演出つとして楽しみたい。
こんなに美しい、お岩を描いた原作者と監督に拍手を送りたい映画である。
※怪談は、本来こういった人間模様を権力を恐れて(自然に恐れて)描いたものではなかっただろうか?京極作品はそれを感じさせる。
また、人間の心に潜む闇の部分が引き起こす行動が一番恐ろしい事を改めて実感させられる作品。
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